2020年06月29日

華の女子高生生活 in Vancouver (29)

【生徒名】moomoo
【性別】女
【生年月日】2002年1月18日(やぎ座)
【出身地】東京都
【留学先】カナダ国バンクーバー
【渡航開始時期】2017年4月
【コメント】中学時代英語赤点の常連だったmeがVancouverでlifeをenjoyしてしまっているそんな日常を、誠心誠意心を込めてお届けしたいと思っております。どうか温かい目でサラッと読み流して頂けたら幸いです。
【卒業後の進路】早稲田大学教育学部英語英文学科へ進学



29 June 2020

こんにちは!moomooです。
今回は差別の話をしようと思います。

現在世界中で起こっているBlack Lives Matter(通称BLM)のmovementについて、皆さんはどれくらいご存知でしょうか。
しがないカナダ公立高校在籍の日本人留学生として、思うところを綴ろうと思います。

まず、留学を予定している学生さんが気になるのは、目的地で差別があるかですよね。
もちろん黄色人種として差別対象になり得ますし、やはり怖いと思う方も多いと思います。

結論から言いますと、私は人種差別で本当に苦しんだことはありません。
しかし人種差別があったかと言われれば、もちろんありました。
先生が白人で白人の生徒だけ妙に成績が高かったり、お気に入り生徒がみんな白人だったり、友達に第二次世界大戦時の日本のことでイジられたり、アジア人だから数学ができるだのコンピューターがいじれるだの、数えだしたらきりがありません。

しかし、それで苦しんだかと言われれば苦しんでないのです。
黒人の方に向けられた人種差別に比べたら、人種差別というのもおこがましいと思うぐらいには苦しんでないのです。
外に出るだけで、生きているだけで、命の危険を感じるような恐怖は感じたことがありません。

何故か?それはステレオタイプと差別の違いにあると思っています。
ステレオタイプというのは、人種や容姿によって人や文化を否定したり、少数を見て全体も同じであると判断してしまう固定概念の事で、人種だけでなく色々なところで無意識に存在しているものです。
差別というのは、その固定概念が間違っているとされていても尚、差別対象を攻撃し続ける事だと私は思っています。

重要なのは、固定概念は変えられるということ。
そして私の周りにいたバンクーバーの人達は、固定概念に対してとても柔軟な対応をしてくれたということです。
バンクーバーには色んな人種や文化を持つ人が住んでいて、自分と違う文化や人種に対して抵抗がない人が多いです。
特に私達の世代は移民の2世3世が多いので、カナダが誇りとして掲げる「diversity(多様性)」を具現化したような社会です。


例えば「日本人っていつも寿司食ってんだろ?」と言われて、「いや、そんなもん高くて毎日食べる人なんていないよ!!」と返せば、「まじで?へぇー」となります。
「お前アジア人だからコンピューター得意だろ!直せや!」と言われて、「アジア人だけど私馬鹿だからわかんなーい」と言えば、「ハハハウケるー」で終わるわけです。

ただアメリカで今起こっている事は、「おまえ黒人だから汚いねぇし危ねぇし何か犯罪やってんだろ」と決めつけて、有無を言わせず銃を発砲してしまったりするわけです。国民を守るべき警察官が。

これがただの固定概念と黒人差別の違いです。

それに似ていてよく日本で言われるのは、「イジリ」と「いじめ」の違いです。
私はいじめは差別だと思っています。

「おまえ大人しそうに見えて意外と面白いな!」と言われて本人が傷ついていないのならば、いじめではなくイジリだと言えるでしょう。
ただ、メガネをかけている子が教室の隅に座って静かに本を読んでいるのを、勝手に「陰キャ」と呼び暴力を振るったりお金をとったりするのは、完全にいじめですよね。

容姿以外の情報を知ろうともせずに、自分の固定概念から人を人として見ない行為は人種差別と同じです。
それでも日本に差別が存在しないと思いますか?

他人よりも上の立場に立つ為に、自分と違う者を排除しようとする行為が、いま世界中でどれだけの人を傷つけているのか。
そして、それを気付かずにやっている人がどれだけいるのか。
見てみぬふりをする人がどれだけいるのか。
このBLMの運動は、もう一度「差別とはなにか」と考える機会であって、ただの外国の事件ではないと言う事が、どうにも日本に伝わらないような気がします。

今、私は英語が理解できる事に感謝しています。
日本のメディアや教育機関だけでは理解できないことや耳に入ってこない情報が、SNSを通して入ってくる事にこんなにありがたく思ったことはありません。

メディアリテラシーとよく言いますが、それは新聞やテレビからの情報を信じてインターネットの情報を信じないことではなく、可能な限り集めた情報からどの情報が正しいのか判断する力をつけると言うことです。
その為に言語を学び、視野を広げ、様々なところから情報を得られなければならないのです。
だからこそ「留学行けば人生が変わるよ!」というのは本当だと私は思うのです。

それと同時に、留学生や留学を予定している方に考えて頂きたいのは、誰しもがステレオタイプを他人に植え付けることができてしまうという事です。
留学先で会う人が日本について全く知らなかったとして、あなたがその人にとっての初めての日本人だとしたら、あなたがその人にとっての日本人像になります。
それについてどう考えるかは人それぞれですが、私はとても素敵な事だと思います。
「日本人って大人しい人多くって話した事もなかったけど、あんた喋ってみるとめっちゃ面白いね!」なんて言われたりしてしまえば、こっちのもんです!

留学期間は有限ですし、出来るだけ色々な人と関わって、日本の事やあなた自身の事も知ってもらいながら、あなたが知らない間に持っていた他文化に対してのステレオタイプも、どんどん壊していけると良いと思います!!!

こんなイレギュラーなご時世だからこそ、新たな気付きや考えられる事は沢山ありますよね。
様々な立場からの悲痛な叫びが、多くの人に届く事をひたすらに願っています。

ちなみに私の学校では、差別やメンタルヘルスに関する情報を提供するクラブもあります。