2020年05月20日

ロックダウン緩和策の発表


みなさんお元気ですか?
イギリスで不登校からのリスタート留学、スキルアップ留学のサポートをしている現地スタッフの万波です。

5月10日にイギリス首相ジョンソン氏がイギリス国民に向けて、ロックダウン緩和スピーチを行いましたので、内容をお知らせしたいと思います。

皆さんもご存知のように、United Kingdom は連合王国なので、イギリス、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドから成り立っています。
今回の緩和策はイギリスのみに適用されるもので、他の3国は別の緩和策を提示することになりました。


以下の段階的緩和策は、日々のR値及び新規感染者数、成果をモニターし、条件を満たし始めた場合には、数週間・数ヶ月の後に更なる緩和ができるかもしれない、とされています。

スローガンは、”Stay at Home, Protect the NHS, Save Lives”から“Stay Alert, Control the Virus, Save Lives”に変更されました。

スピーチの内容は以下のとおりです。

<段階的な規制緩和>

Step1:
5月11日からは、在宅勤務が不可能な職業(建設業や製造業等)の者の出勤が奨励されるべきである。ただし、出勤の際は社会的距離を維持するため可能な限り公共交通機関を避け、出来れば車・徒歩・自転車を利用しなくてはならない。
5月13日からは、屋外での運動を制限しない。これによって屋外での運動(公園での日光浴やドライブ、家族でのスポーツ)が可能となる。ただし、社会的距離の規則には従わなければならず、規則を破る者については罰金が科される。

Step2:
最速で6月1日(ハーフターム終了後)から、店舗の段階的な再開や小学校に生徒を段階的に戻せる状況にあるであろうと信じている。

Step3:
最速で7月から、一部のホスピタリティ産業及びその他の公共の場を、安全性と社会的距離が守られることを前提に再開したい。

<英国入国時の隔離措置の導入について>

海外からの再感染を防ぐため、5月末よりイギリス入国者(フランスとアイルランドからの入国者を除く)に、2週間の隔離措置を導入する。

<新型コロナウイルス・アラート・システムの導入>

新たな合同バイオセキュリティ・センター(Joint Biosecurity Centre)によって運営される新型コロナウイルス・アラート・システムは、5段階とされ、R値及び感染件数によってレベルが決定される。
各レベルは社会的距離の制限措置の程度を強弱で表し、レベルが低いほど措置も緩く、レベルが高いほど措置は厳しくなる。ロックダウン期間中はレベル4とされ、現在はレベル3に向かう段階に入りつつある。

以上がジョンソン氏のスピーチの主な内容です。

発表後、政府の打ち出した緩和対策はあまりにも曖昧だという意見が多数ありました。
ヨーロッパの国々のロックダウン解除が進む中、イギリス政府もプレッシャーに押されているような感じが取れました。
一方イギリス国民は、まだ解除には早すぎるという意見も多く、湖水地方、ビーチで有名なコーンウォール地方などは、国民に遠足気分でのお出かけは遠慮して欲しいというメッセージを発信しています。

5月16日時点で、感染者数23万6千711人、死者3万3千998人という数字をみると、ピークを超えたとはいえ、まだまだ今後の生活に大きな影響を及ぼしていくコロナウィルスです。
国民一人ひとりが気を抜かずに、手洗い、ソーシャルディスタンスを守りながら、早くコロナウィルスの終息に向かう事を願っています。



【スタッフ紹介】
万波千江。兵庫県出身。1995年に語学留学で渡英。現在は、イギリス人の夫、長男、次男、アルゴ(ウィペット犬)と共にブリストル郊外に在住。BBC Radio 4をこよなく愛する。英語力の上達とイギリス文化を知るにはBBC Radio 4を聴くのが一番のおすすめだとのこと。アウトドア大好き家族なので、一年を通してハイキング、サイクリング、サーフィンに出かけることが多い。


~この記事の著者~

WSO センター